「カフェで1日限りのランチイベント、カルマキッチンっていうのがあるんだけど行ってみない?」
7月のある日、職場の先輩からメールが届きました。
※カルマとは、過去(世)での行為は、良い行為にせよ、悪い行為にせよ、いずれ必ず自分に返ってくる、という因果応報の法則のこと。
「カルマ=悪い行為が自分に返ってくる」
としか頭に浮かばなかった私は、不安な気持ちでカルマキッチンをネットで調べてみました。
カチカチ。
・・・あなたの食事のお代は、前の方からいただいています。ですから、支払う義務はありませんが、次の人に優しさを送ることもできます。
食べるだけ食べて、「はい、さようなら」、って帰っても通報されませんね。・・・こんなことを考える辺りが、私がカルマと聞いて不安になる由縁かも。と反省しながらどんな人が集まっているのか気になったので、とりあえず行ってみることにしました。
11時過ぎに入店すると、オープンしたてとあって私と先輩が2組目のようで4人掛けのテーブルに30~40代の二人の女性が向かい合って座っていただけでした。席を案内されるのを待っていると、なんと先の女性たちのテーブルに案内されました。(テーブルがすべて埋まってからの相席じゃないんだ!)
先にいた二人は年代が近そうだったので友達同士かと思いきや、二人とも一人参加の方でした。小心者の私は、一人参加か~、なかなか勇気がいるなと思いました。ですが、その後、お店に来る人を見ていると、一人参加の人もけっこういるようで、隣のテーブルでは、30代前半とおぼしき男性と50才代ぐらいの女性が話をしていました。そして、1時間もすると、ほぼ満席となりました。
私の隣に座っていた人は、カルマキッチンに何回も参加されている方でした。
その人から、カルマキッチンはリピーターが多いことや、希望すれば、カルマキッチンのスタッフ(スタッフは、全員ボランティア)として活動できることも知りました。
また、『恩送り』の話から、アメリカのスターバックスで次の人の飲み物をおごることが400杯以上連鎖した話や、買い物客が置いていってくれる食材を使って無償で食事を提供しいる、スーパーに併設されているレストランがある話なども聞くことができました。
一息、話が落ち着いたところで、テーブルの上に置かれていたカルマキッチンの案内と、小さな封筒をあけてみました。封筒の中には、前回カルマキッチンにいらした方からのメッセージが書かれた紙と白紙の紙が入っていました。
案内には、「今日のお食事代は、色々な方々の優しさと恩送りのカタチとして既にいただいています。皆様も、次のお客様のお食事分としてお支払いされることはもちろん、違うカタチで周りの方々に優しさを送られても、今は何もしないと言うことでも結構です。自由な気持ちでお楽しみいただけたらと思います。」と書かれていました。
恩を送る・・・普段の生活で使ったことがない言葉が出てきました。どうしたらいいんだろう?と思いつつ、メッセージを読んでみました。フムフム・・・読み、色んな気付きがあったらいいな、と思っていると食事が運ばれてきました。
私はA『一日分野菜の北海道スープカレー(肉なし)セット』をいただきました。
食べながら、同席の女性にどんな恩を送るのか尋ねてみたら、「まだ考えていません。まずは恩を受け取ることを楽しんでから考えてみます🎵」と。
ハッ、としました。
普段、職場で「これ終わったら、あれやってこれやって……そうしたら、○時までに△△が終わるから……」と常に少し先のことを考えて『今』その『場所』にいないことに気付かされました。
そうだ。私もまずはしっかり受け取ろう!
その後は、前の参加者からの「優しさの贈り物」としての食事を楽しみ、同席者との会話も楽しんで、そろそろ行こうかという時に次回カルマキッチンにくる人に向けてメッセージを書きました。そして、、自分の気持ちのままにお金を封筒に入れました。
それから、私と先輩はお店を出ましたが、残った2人は他のテーブルに合流させてもらっていました。
お金を置いていかずに帰るのが慣れていない(みんなそうですが)&次の運営費などのことも考えると、お金が無難でいいのでは‥‥と思って、
結局お金で恩を返しましたが、帰り道、ちょっと面白みがなかったかなぁ、とも思いました。
カルマキッチンで一発芸を披露して、みなに楽しんでもらう、自動販売機でジュースを買った時、おつりはわざと取らずに次の人をちょっと驚かせて笑顔にするなど‥‥
送る恩は1回だけでも、そうじゃなくてもいいと思うので、そのうちどこかでやってみたいと思います。