「カフェで1日限りのランチイベント、カルマキッチンっていうのがあるんだけど眠り姫こういうの好きじゃない?」
7月のある日、職場の後輩にメールを送ってみました。
カルマ=BUMP OF CHICKENの曲 としか頭に浮かばなかった私は、結果この後輩に半ば強引に連れて行かれることになりました。紹介したものの詳細は知らなかったので調べてみました。
カチカチ。
・・・あなたの食事のお代は、前の方からいただいています。ですから、支払う義務はありませんが、次の人に優しさを送ることもできます。
これだったら、どうしようもなくお腹の空いた人とかがいけば助けになるのでは?でも、そういう人はカフェなどには来にくいんだろう。本当の優しさって?・・・こんなことを考える辺り、私が行くのは場違いなのかも。と思いながらどんな人が集まっているのか気になったので、とりあえず後輩に言われるまま付いて行くことにしました。
お店に入って当然のように相席になることには驚きました。でも、同席の方と話すことで自分の世界が広がったりカルマキッチンに触れることは通常では味わえない感覚だったのでとても楽しめました。
一息、話が落ち着いたところで、テーブルの上に置かれていたカルマキッチンの案内と、小さな封筒をあけてみました。封筒の中には、前回カルマキッチンにいらした方からのメッセージが書かれた紙と白紙の紙が入っていました。
誰かに優しく出来る。その場所を与えられているということは、ここは幸せな場所なんだろうなと思いました。そしてそのメッセージからもそれは溢れていてとても温かい気持ちになっていると食事が運ばれてきました。
私はB『焦がしペッパーの焼きバーグシチューセット』をいただきました。
食べながら、後輩にどんなメッセージが届いたか見せてもらいました。
ハッ、としました。
以前、職場で「大好きな人が居るんだけど、その人との関係が終わりそうで……」と少し先のことを考えて悩んでいた後輩。そしてその彼とは終わってしまったのにずっと引きずっている後輩。そしてその彼の名が、なぜかメッセージの最後に!!!!
後輩は気づいているはず、でもそれが本人ではないのも筆跡をみれは分かるはず、でも、どうしてここにその名が・・・
再び ハッ、としました。
・・・これがカルマ?
・・・悪い意味の???
え?いい意味・・・???
私にとってカルマキッチンは、優しさや恩とは何かということを考えさせられる場所でした。そして、その優しさや恩を半分いい意味で強制的に実行できる場所なのだと。こういうサイクルの経済を「ギフト経済」と呼ぶそうです。誰かにギフトを渡すと嬉しくなる。それが根本的な考え方なのだと。でも、本当の理想は、こういう場がなくても、誰もが誰かに優しく出来る世界(経済)なのではないかと思いました。そのきっかけ作りとしてのカルマキッチン。一度行ってみるといいかもしれません。きっと優しい気持ちになれますよ。
・・・後輩を除いて。