「失いかけている私の中の『寂しい』を探す旅に出ることにしました」
テーブルの上に一枚の手紙。それは私が書いたものでした。
最近周りに「まだ結婚しないの?」と言われなくなった代わりに「寂しくないの?」と聞かれるようになりました。結婚して遠くに嫁いだ親友などは、電話で話す時5回に1回は聞いてきます。毎回答えは一緒、「寂しくないよ、なんで?」と聞き返しているのに。
彼女になぜ寂しくないか毎回聞くのかを訪ねてみると、アラフォー女子が未婚で一人暮らしだと他人から見たら寂しい生活を送ってるように見える、との回答が返ってきました。・・・失礼な。でも、確かに家庭がある人から見たらそうかもしれないですね。
友達は電話口で続けます、
「今は元気で仕事もできているからいいけど、でも、何かあった時に自分のことを守ってくれる人がいないって寂しくない?」
「それは・・・寂しい、のかも」
「でしょう?・・・適当に手を打てという訳ではないけど、そういう人見つけるように気にしてた方がいいよ、って話」
受話器を置いてから、私はちょっと考えました。自分がどれだけ長い間「寂しい」って思っていないのか、そして思わなくなった原因はなんなのか。そして、寂しい気持ちはどこからくるのか、どんな時に感じるのか、考えました。
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考えているうちに眠ってしまいました。考えると眠ってしまう。
動きながら探そう!!
そこで、私は「寂しい」を探す旅に出ることにしました。そして置き手紙を書きました。
が、むやみやたらに外に出ても「寂しい」が見つかる気がしなかったので、まずは「寂しい」は何かパソコンで検索することに。Amazonで「寂しい」のワードで検索したら、1124件のヒット!次に「寂しくない」で検索をかけてみました。
24件
24件?!
24件!!!
これは・・・・・・やはり、寂しくない人は少ない、ということなんでしょうか。・・・と考えこむ私の視界の隅に気になるものが。
「これで人肌恋しい夜も寂しくない! 筋肉男の腕枕クッション!!」
す、すごい・・・筋肉モリモリです。
しかも、レヴュー3件が★★★★★となっていました。そのコメントがまた興味深い。
「肌触りもすごくよく、楽しめましたぁ」
楽しめた??? よく眠れた、ならしっくりきます。この方が何を楽しんだのか、気になります。そして、次のコメント。
「我が家では ・・・略・・・ 時には、疲れた足を乗せてもらい、楽になった!」
我が家、ってことは家族で暮らしているその家の中にコレがあるってことでしょうか。居間辺りにポンと置いてあって、気楽に使われているのかもしれません。・・・明るい家庭です。
その時、ハッと思いつきました。誰かに腕枕をしてもらうことで、人肌恋しい夜を思い出せるのではないか。使用目的は違いますが、寂しい人にこの腕枕が有効なら、寂しくない私はこれを使って人肌恋しい夜を思い出せるかもしれない。試しに1つ(一体?)買ってみようかな。でも、もしこれが一人暮らしの私の家にあったら・・・・・・使用している時は腕が視界に入らないのでいいんですが、人の腕がそこら辺にあったら、ちょっと怖い感じもします。
そこで「寂しくないの?」とよく聞く親友宅へ送ることにしました。寂しくないだろう彼女がそれを先に使うか、私が遊びに行った時にこの腕枕を使うか、どちらが先になるかは分かりませんが、次回はその仕様についてお知らせしようと思います。